実在の人物とは無関係らしいよ?
「だいたいさぁー、アンタが断らないからこういうコトになるじゃないの?」


ヒトのベッドの上に寝ころんでシッポを揺らしながら唇をとんがらして俺に意見しているのは猫だ。

俺が優しいからイカンと言われれば、、、そうかもしれんな。うん、確かに俺はヒトにもタトにもタルにもガルにもエルにも、、、ミスラには特に優しいからな。

「、、、いや、アンタ他人に優しくないし」

即突っ込むのはヒトに優しくないと思うぞ?

「アタシも別に優しくないしぃ、、、」

枕に顔を半分埋めながら猫が片目を眇める、、、

「意地悪だし!」

、、、知ってる。



俺の家に上がり込んでコイツが何をしているのかといえば、単に今日あったコトに対してイロイロな言いたいことを言っているだけだ、、、これから楽しくて甘いナニかとかをするために来たのではない、、、座る場所が無いから寝床を占拠されて部屋の主たる俺が何故か床に座って話をしてるって寸法さ。

いつもそうなんだがBCやミッションが終わるとコイツは俺ん家に来てなんだか感想やら愚痴やらをたれていく、、、まぁ、大概俺も何か言いたいことがあるのでそれはそれでいいんだけどね。


今日は先日受け負ったミッションBFで一緒に行った連中のコトで文句があるらしい、、、それについては俺にもイロイロ言いたいコトがあるんだけどな。

「案内するとか言ってて道に迷うとかってさぁ~、、、普通は無くない?」

、、、無くはないだろ、、、うっかり間違えるとか、、、無いか?

猫は不満げに頬を膨らまし、首を横に振る。コイツ的には無いらしい。

「もう何度も通った道じゃない?あり得ないよ」

なんか他のことに気を取られてたんじゃないか?地図を横目に走っていて曲がり角を一つ間違えたとか、さ?

「だいたいよく分かってないのに他人様を案内するなんてどうなってんの!?」

シッポを振り回して力説する。

「カッコつけるからダメなのよ!」

、、、猫的にダメらしい。

そうかねぇ、、、初心者を案内するのに手間取っていたんだろう?男って生き物は女の前じゃちょいと格好良く振る舞ってみたいイキモノなのさ、、、そこんとこを解ってやれよ。

そもそも普段の男ってのは大概格好悪いんだよ、そこを精一杯背伸びしてマトモっぽく見せてるんだから努力くらい買ってやれ。

「、、、アンタがアンタの事情を一般化させたいのは解ったけど、それとこれは別だし、、、」

こっちに顔を向けた猫は軽く息を吸ってから



「どっちにしろダメだし!」



ダメ出しのダメ押しだ。





「そうそう、そういえばこの前3人で行ったアサルトなんだけどさ、、、アレもちょっと酷かったよねぇ?」

んー?どのアサルトだって?

「あの赤い竜が出てくる奴!」

あー、、、「土筆作戦」って奴だな?、、、別に難しくもないし、、、溶岩池を使えば普通に竜も振り切れるじゃん、、、アレがどうかしたか?

「普通に振り切れるのはアンタだけでしょ!?」

、、、そんなに目を剥くなよ元々大きいんだからちゃんと閉じなくなったら大変だぞ?

っと!モノも投げるな!、、、俺の部屋だぞ?ヒトのモノは大事に扱えってお母さんに習わなかったか?

「自分のモノは大事にしてるわ、、、アタシのじゃなければ別にどうなってもいいし」

、、、酷い教育を受けてきたようだな、、、で、アレに何か問題があったか?俺の記憶では確かにお前ともう一人のメンバーは一回ずつ竜に踏みつけられていたようだが、、、。

「それよ!、、、なんていうのかしら?一緒に行ったアイツ思いやりが少し足りないと思わない?」

、、、こいつ自分のことは棚に上げて他人に「思いやり」を語り始めたぞ?

猫はベッドの上に胡座に座り直した。、、、こりゃ長くなるかな?

「だいたい何よ!白で来るとかあり得ないわ!」

どうしてだ?リレイズ出来るし、、、なんと言っても誤って踏まれた仲間を蘇生させることも出来るじゃないか、、、これって仲間への「思いやり」にならないか?

「そうじゃない!」

猫は興奮して俺の枕を振り回した。それ、中身が偏ると寝苦しいから乱暴に扱わないで欲しいんだけどなぁ。

「そこじゃない!!」

じゃあドコだよ?

「死ぬ気満々なトコロよッ!」



、、、、ああ、なんとなくレベルで理解したが、コイツは作戦に臨むにあたり「戦闘不能状態になるのを前提に」参加するのが「女々しい」と言いたいのだな?

そりゃ確かにそうかもしれんが、、、やたらと張り切って参加して結局クリア出来ない方がダメージが大きくないか?目的と手段のどちらにこだわるべきかと問われれば無論前者だろう。

「でも!」

猫は大きな声を出して話を遮った。

「本当に許せないのはその先よ!」

なんだよ、まだ先があるのかよ、、、

猫は俺に取り上げられた枕の代わりに自分のシッポを右手で弄りながら声高にまくしたてた。

「アイツは一番近くのスイッチに一番に飛び込んでそこから一歩も動かないコトよッ!!」


んー、ソレは俺的には有り難いんだけどねェ、、、

猫は「WHY?」みたいな顔をして眉を寄せ両目を眇める。

俺から言わせてもらえれば「役に立たないなら役に立たないなりに大人しくしていて欲しい」ってトコかね?

猫は不機嫌さを隠さずに唇をアヒルみたいに尖らせている。

「、、、それってどう言うこと?」

聞いたとおりだよ、、、絡まれても自分で状況を打開出来ない様な素人にウロウロされてやたらなところでパッタリ倒れられる位だったら、最初から絡まれない場所で大人しくガクブルってろって意味さ。

自分から身の程をわきまえて一番簡単で安全な場所に置物みたいにじっとしていてくれた方が俺が動きやすいからな、、、竜の相手だけでなく「仲間」の子守までしたくねぇだろ?




「、、、、」




なんだよ、その目は?


「、、、アンタってさァ、、、」

猫は感心するような呆れたような複雑な顔をして言った。








「ホンット優しいよねぇ~」



ーほっとけ!

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