【★潜行】FFXI【特務隊】
2014年9月29日 日常 コメント (2)
幽かに塩の香を含んだ湿った空気と共に生臭い鉄の味が口腔内に広がる。
目の前の濡れた岩肌は点々と架けられた灯明の淡く揺れる光にぼんやりと照らされ、その苔生した表面を暗がりの中にうっすらと浮かび上がらせている。
「ぐっ・・・むぅ・・」
痛みか痺れか・・・ままならない身体をようやく捻って肘を突き、身を起こそうとすると思わずうめきが洩れた。
「馬鹿、嘗めてるからよ」
「・・・」
声のする方を見上げると、岩洞の壁にもたれるようにして座り込んだ猫が怖い顔をして俺を睨みつけていた。
右手で弄んでいる抜き身の「鳰(かいつぶり)」が地味に怖い。
・・・こういう感覚は久し振りだ。
自分の実力を過信し、相手の力量を見誤った結果の敗北。
俺はのろのろと這うように身を起こすと、濡れた岩肌の上にそのまま座り込んでふぅっと溜息をついた。
「・・・どうすんのよ?」
胡乱な目を向ける猫はこのまま続けるのか諦めるのかを訊いているらしいが、それは愚問だ。
「やる」
間髪を入れずに返した俺の返事に一瞬、ぴくりと片眉を上げた猫は何か言いたそうな顔をしたが、すっと刀を納めると「そう」とだけ答え、こちらに背を向けて横になった。
俺は少し大きく息を吸い込むと、よっこらしょっとばかりに勢いをつけて立ち上がった。
「ちょっとサポ替えてくる」
猫はこちらを見ようともせずに横になったまま尻尾だけちょいちょいと振って見せた。
呪符デジョンでジュノに戻った俺はサポートジョブを黒魔道士に替えると、2つ3つの装備を後衛寄りのものにしてからモグハウスを出た。
最下層、港区のモグ前から階段を駆け下りて競売へと続く階段の脇に向かう。
街頭で薄笑いを浮かべながら獣人の貨幣と怪しげなオーブとを交換する商人のところへ向かうと、彼らから新しいブツを仕入れてそのまま港区の出口近くのホームポイントへと走り込む。
「・・・これはホントに便利になったなぁ」
俺がヴァナを離れていたほんの僅かな間に出来たサービス、それは各地のホームポイントから自分が今まで訪れたことのある好きな場所のホームポイントへと自由にテレポートすることが出来るという超便利なものだ。
一律1000ギルが高いか安いかは飛ぶ先の場所によるが、二人だけで入るには手順が面倒過ぎる怨念洞の奥地への転送は文句なしに「安」かった。
「生贄の間」前に戻ると、猫は地面に広げた風呂敷の様なもの上で忍具の確認をしているようだった。
そして近付く俺をちらと目線だけで確認すると、彼女は手早く自分の露店を片付ける・・・再戦だ。
「早かったね」
「ああ、やっぱテレポイント便利だな」
「詩>竜>モ>白でいいの?」
確認する猫に俺は頷く。
「でも、その辺は臨機応変でいい・・・寝てない奴優先で」
つまらないコトに拘っても良いコトは少ない、どうせ二人ぼっちで入るBCなんだからな・・・長年連れ添ってるんだ、身についた「阿吽の呼吸」ってのを発揮すればいいのさ。
そう返した俺に眇めた眼で猫が答えた。
「・・・いや、そこは確実に寝かせろよ」
・・・至極ごもっともな話ですね、はい。
「生贄の間」の前でリレイズピアスを使用し俺は防御力&耐久力強化、猫は攻撃力&耐久力強化の食事を摂る。
「後の強化魔法は中に入ってからだ」
俺達は深紅の宝珠を「生贄の間」に捧げ、怪しげに揺らめく炎で描かれた魔法陣に再び足を踏み入れた。
「・・・なんとかなるもんだな」
折り重なる様に倒れた半漁人達を前にして素直過ぎる感想を思わず口にしてしまったが、久し振りに生命の危機を感じるタフバトルに俺の心臓は今も早鐘を打ち続けている。
「ま、さっきよりは・・・随分マシだったわ」
肩で息をしている猫にしても同様だろう・・・隠してるつもりだろうけど、よく見るとガクガクと膝が笑っている。
・・・指摘したら殺されるから言わないけどな。
「・・・と、そろそろ時間がヤバいはずだ」
俺は広間の真ん中に鎮座する宝箱に目をやった。
「開けちまおうぜ」
「あ、じゃあ外で待ってるよ・・・ここ開けるの面倒だから」
「解った、出たら教えてくれ」
ウガレピ寺院を回って怨念洞に戻った俺は、「生贄の間」の前で待っていた猫と再び合流し、今度は猫の持つ宝珠での二戦目に臨んだ。
前回苦労させられた竜騎士を最後に持ってくる(竜騎士を倒しても小竜が消えなかった為に想定外に戦闘が長引き、ピンチを招いた)以外は特に変更も無く、俺の全寝かせキープ>猫による個別ガチ撃破という流れは安定していた。
(戦闘時間は25分>20分に短縮された)
最後だからと二人で開けた宝箱には今回の目的である「レム物語:第一章」が2冊入っていたが、驚いたことにそれとは別にBCを離脱する際に俺達のインベントリにはそれぞれ一冊の「レム物語:第一章」が転がり込んだ。
「なるほど・・・手伝いに行くだけでも貰えるってワケか、考えたな」
「これならシャウトでも頼み易いね」
ここに至るのに11年掛かったと考えるとなんともアレな話だが、考えようによってはプレイヤー間の「絆」に全てを依存する時代は終わったのだとも言えるだろう。
各々の利害関係の調整の手間を参加者であるプレイヤー自身に委ねるという姿勢が今までのFFXIだったのだとすれば、システムを介した報酬の自動分配は大サービスもいいところだろう・・・何しろ恣意が入らない分、ギスギスしない。
そうした「やりとり」こそがFFXIの「自由」だったと考えると、システムに保障された報酬の存在は時代の変化というものを嫌でも実感させるね。
「・・・ーッ!?」
「どうした?」
ビクンと身体と尻尾を硬直させた猫が声にならない悲鳴を上げる。
慌てて向き直ると猫は顔面蒼白で両の手をわなわなと震わせながら呟いた。
「・・・じゃあさっきも一冊貰えてたってコトじゃないの!?」
ああ、なるほど・・・そこね、そこなのね。
俺は猫の両肩をそっと抱きしめ、最大限の慈しみと優しさをもって囁いた。
「知らなかった事とはいえ今回は残n「黙れ」
・・・顎の下にちくと感じた冷たい痛みは、抱きしめている猫が逆手に持ったエミネンダガーの先端だろうか?
「な・・ちょt「お前のせいだ」
・・・ホワイ?何故?
剣呑なオーラを全身から噴出させている猫を形の上だけでも抱きしめている俺は、今、猛烈な後悔と反省を強いられているらしい。
・・・問題なのは俺の「後悔と反省」に必要な材料が自覚出来る範囲で極めて乏しいという点なのだが。
「お前が『先にBC出て扉開けて』とか言ったからだ!」
え?そうだっけ?なんか猫が勝手に出て行ったような気が・・・したと同時に顎下の痛みがズキンと増した。
「・・・今、失礼なコトを考えていただろう?」
「エスパーかよ・・・」
俺はプレイヤーに優しいFFXIの実現に一番必要なコトは、EX属性のアイテムをトレード出来る様にすることじゃないかと冷や汗を垂らしながら考えていた。
目の前の濡れた岩肌は点々と架けられた灯明の淡く揺れる光にぼんやりと照らされ、その苔生した表面を暗がりの中にうっすらと浮かび上がらせている。
「ぐっ・・・むぅ・・」
痛みか痺れか・・・ままならない身体をようやく捻って肘を突き、身を起こそうとすると思わずうめきが洩れた。
「馬鹿、嘗めてるからよ」
「・・・」
声のする方を見上げると、岩洞の壁にもたれるようにして座り込んだ猫が怖い顔をして俺を睨みつけていた。
右手で弄んでいる抜き身の「鳰(かいつぶり)」が地味に怖い。
・・・こういう感覚は久し振りだ。
自分の実力を過信し、相手の力量を見誤った結果の敗北。
俺はのろのろと這うように身を起こすと、濡れた岩肌の上にそのまま座り込んでふぅっと溜息をついた。
「・・・どうすんのよ?」
胡乱な目を向ける猫はこのまま続けるのか諦めるのかを訊いているらしいが、それは愚問だ。
「やる」
間髪を入れずに返した俺の返事に一瞬、ぴくりと片眉を上げた猫は何か言いたそうな顔をしたが、すっと刀を納めると「そう」とだけ答え、こちらに背を向けて横になった。
俺は少し大きく息を吸い込むと、よっこらしょっとばかりに勢いをつけて立ち上がった。
「ちょっとサポ替えてくる」
猫はこちらを見ようともせずに横になったまま尻尾だけちょいちょいと振って見せた。
呪符デジョンでジュノに戻った俺はサポートジョブを黒魔道士に替えると、2つ3つの装備を後衛寄りのものにしてからモグハウスを出た。
最下層、港区のモグ前から階段を駆け下りて競売へと続く階段の脇に向かう。
街頭で薄笑いを浮かべながら獣人の貨幣と怪しげなオーブとを交換する商人のところへ向かうと、彼らから新しいブツを仕入れてそのまま港区の出口近くのホームポイントへと走り込む。
「・・・これはホントに便利になったなぁ」
俺がヴァナを離れていたほんの僅かな間に出来たサービス、それは各地のホームポイントから自分が今まで訪れたことのある好きな場所のホームポイントへと自由にテレポートすることが出来るという超便利なものだ。
一律1000ギルが高いか安いかは飛ぶ先の場所によるが、二人だけで入るには手順が面倒過ぎる怨念洞の奥地への転送は文句なしに「安」かった。
「生贄の間」前に戻ると、猫は地面に広げた風呂敷の様なもの上で忍具の確認をしているようだった。
そして近付く俺をちらと目線だけで確認すると、彼女は手早く自分の露店を片付ける・・・再戦だ。
「早かったね」
「ああ、やっぱテレポイント便利だな」
「詩>竜>モ>白でいいの?」
確認する猫に俺は頷く。
「でも、その辺は臨機応変でいい・・・寝てない奴優先で」
つまらないコトに拘っても良いコトは少ない、どうせ二人ぼっちで入るBCなんだからな・・・長年連れ添ってるんだ、身についた「阿吽の呼吸」ってのを発揮すればいいのさ。
そう返した俺に眇めた眼で猫が答えた。
「・・・いや、そこは確実に寝かせろよ」
・・・至極ごもっともな話ですね、はい。
「生贄の間」の前でリレイズピアスを使用し俺は防御力&耐久力強化、猫は攻撃力&耐久力強化の食事を摂る。
「後の強化魔法は中に入ってからだ」
俺達は深紅の宝珠を「生贄の間」に捧げ、怪しげに揺らめく炎で描かれた魔法陣に再び足を踏み入れた。
「・・・なんとかなるもんだな」
折り重なる様に倒れた半漁人達を前にして素直過ぎる感想を思わず口にしてしまったが、久し振りに生命の危機を感じるタフバトルに俺の心臓は今も早鐘を打ち続けている。
「ま、さっきよりは・・・随分マシだったわ」
肩で息をしている猫にしても同様だろう・・・隠してるつもりだろうけど、よく見るとガクガクと膝が笑っている。
・・・指摘したら殺されるから言わないけどな。
「・・・と、そろそろ時間がヤバいはずだ」
俺は広間の真ん中に鎮座する宝箱に目をやった。
「開けちまおうぜ」
「あ、じゃあ外で待ってるよ・・・ここ開けるの面倒だから」
「解った、出たら教えてくれ」
ウガレピ寺院を回って怨念洞に戻った俺は、「生贄の間」の前で待っていた猫と再び合流し、今度は猫の持つ宝珠での二戦目に臨んだ。
前回苦労させられた竜騎士を最後に持ってくる(竜騎士を倒しても小竜が消えなかった為に想定外に戦闘が長引き、ピンチを招いた)以外は特に変更も無く、俺の全寝かせキープ>猫による個別ガチ撃破という流れは安定していた。
(戦闘時間は25分>20分に短縮された)
最後だからと二人で開けた宝箱には今回の目的である「レム物語:第一章」が2冊入っていたが、驚いたことにそれとは別にBCを離脱する際に俺達のインベントリにはそれぞれ一冊の「レム物語:第一章」が転がり込んだ。
「なるほど・・・手伝いに行くだけでも貰えるってワケか、考えたな」
「これならシャウトでも頼み易いね」
ここに至るのに11年掛かったと考えるとなんともアレな話だが、考えようによってはプレイヤー間の「絆」に全てを依存する時代は終わったのだとも言えるだろう。
各々の利害関係の調整の手間を参加者であるプレイヤー自身に委ねるという姿勢が今までのFFXIだったのだとすれば、システムを介した報酬の自動分配は大サービスもいいところだろう・・・何しろ恣意が入らない分、ギスギスしない。
そうした「やりとり」こそがFFXIの「自由」だったと考えると、システムに保障された報酬の存在は時代の変化というものを嫌でも実感させるね。
「・・・ーッ!?」
「どうした?」
ビクンと身体と尻尾を硬直させた猫が声にならない悲鳴を上げる。
慌てて向き直ると猫は顔面蒼白で両の手をわなわなと震わせながら呟いた。
「・・・じゃあさっきも一冊貰えてたってコトじゃないの!?」
ああ、なるほど・・・そこね、そこなのね。
俺は猫の両肩をそっと抱きしめ、最大限の慈しみと優しさをもって囁いた。
「知らなかった事とはいえ今回は残n「黙れ」
・・・顎の下にちくと感じた冷たい痛みは、抱きしめている猫が逆手に持ったエミネンダガーの先端だろうか?
「な・・ちょt「お前のせいだ」
・・・ホワイ?何故?
剣呑なオーラを全身から噴出させている猫を形の上だけでも抱きしめている俺は、今、猛烈な後悔と反省を強いられているらしい。
・・・問題なのは俺の「後悔と反省」に必要な材料が自覚出来る範囲で極めて乏しいという点なのだが。
「お前が『先にBC出て扉開けて』とか言ったからだ!」
え?そうだっけ?なんか猫が勝手に出て行ったような気が・・・したと同時に顎下の痛みがズキンと増した。
「・・・今、失礼なコトを考えていただろう?」
「エスパーかよ・・・」
俺はプレイヤーに優しいFFXIの実現に一番必要なコトは、EX属性のアイテムをトレード出来る様にすることじゃないかと冷や汗を垂らしながら考えていた。
コメント
空トリガー取ってNMやると結構出ますぜ。
・・・とりあえず今は拡大したメリポ枠いっぱいまでステ強化してBC「つよ」クリアを目指しております
AF109よりエミネン装備の方が使えるってのが地味にションボリですが、頑張ります